回復カード(旧ブログより移動)

1、なぜ回復カードは弱い(と僕が思っている)のか。
要するに、一石二鳥ができないからです。これはカードアドバンテージ上の1対2交換の事では無く、もっと広い意味の言葉です。
例えばカウンターや除去、アク使者凌駕といったユニットをロールする効果でも良いです。
これらは全て、ボードコントロールという本来の仕事をしつつ、同時に本国が減る事を阻止してくれてもいます。例えば相手のユニットを完全に場に出さなければ、コスモバビロンは必要無いわけです。これを今は「一石二鳥」と呼びます。
それに対して回復カードは、本国を増やすだけ。これは一石二鳥とは呼べません。


ユニットなどにもこれは該当します。
雑に言えば、「グロムリン」と「ゴトラタン(メガビームキャノン装備)」の違いがそうです。多くの人は「ゴトラが強い」と考えると思いますが、これは殴るだけのグロムに対して、ゴトラは殴りつつボードコントロールができるため、ゴトラの方が強いのです。
例えば、「Zガンダム(劇場版)」と「Zガンダム(ハイパー・メガランチャー装備)」の比較もそうです。劇場版の方が強いと、僕は思っています。単純に打点を出すだけのハイメガに対して、打点で劣りながらもほぼ同じ仕事はでき、同時にジャンク除去や、ユニットサイズによるボードコントロールが期待できるからです。


閑話休題
「予め引いておかなければならない」カウンターなどとは違って、「今引いたカードの効果で、過去の被害を帳消しにできる」という利点は存在します。今引きの抱擁がゲームを逆転に導いた事も少なく無いと思います。
ならば、だからと言って、今は手札に持っていないけど、将来的に抱擁を引くかも知れないから、ダメージレースでちょっと不利だけどガンガン殴ろうというプレイングを行うか?という事です。
他の人がどうするかは知りませんが、僕はしません。
誤解を恐れずに言えば、その意味では、未熟で下手なプレイヤー(だと僕は思っています)であればあるほど回復カードの力を引き出せる、という事です。


Z3号機やエースの奮闘は、その意味では既存の回復カードとは一線を画しています。
前者は、回復効果が無くても十分強力なユニットです。この時点で既に一石二鳥です。これは7弾アムロやハイマットにも通じる性質ですね。
後者は、回収効果が脅しとなります。脅し、即ちボードコントロールです。これで一石二鳥です。またこれは前も書いたかも知れませんが、政治特権経由でカードアドバンテージに繋がるなどの一石二鳥もあります。
他には、ジャンクが肥えるディアナ帰還や、ヴァリアブルである慈愛の眼差しなんかもそうですね。


2、では逆に、それでもなぜ回復カードは必須であるのか。
ガンダムウォーにはドローや資源コストなど、ゲームシステムの時点で既にタイムリミットが設定されているからです。「あと1枚本国があれば、○○の資源払って勝てた」「ドロー負けせずに済んだ」という経験はいくらでもあると思いますが、つまりそれです。
武力やバビロンといったコントロールデッキに搭載される回復カードは、それを阻止するためのカードです。
また、これらの本当に強い要素とは、実は色です。つまり、これらによるディスアドバンテージを他のカードで補填し易い、という事です。


言い換えれば、回復量は最低限で構わないわけです。何故ならゲームに勝利した時、自軍本国の枚数は関係無いからです。(CS決勝の横でやってる限定構築など、関係あるレギュレーションも存在しましたが)
では何故大回復カードが注目されるのかと言うと、ただ大は小を兼ねているだけの事です。即ち、汎用性と変換効率が高いからです。


3、つまり何が言いたいのかと言うと。
「とりあえず」と回復カードを積むのでは無く、デッキタイプやメタ、運用方法などを考えた上で使いましょうねと。
本国、つまりライフとは、ただのリソースです。毎回毎回「本国満タン状態で圧勝している」という事は、そこには無駄があるという事です。無駄を省くという事はデッキの安定性や対応力の向上に繋がり、即ち現実的な勝率の向上を示します。
もちろん、TCGとは人対人の対戦ゲームですから、「1戦目圧勝する事で対戦相手を萎えさせ、2戦目も有利になる」などといった要素は考えられます。それを重視するのであれば何も言いませんが。